アクアティック第4弾・後書き


アクアティック』第1弾のテーマは「仲間とは」に対し、第4弾は「恋愛の行方」をテーマにした。まぁ、主人公の恋愛は作者が決めることなので、成就か破談のどちらかになるということはわかっている。アンデルセンの『人魚姫』は「叶わない願い」で、小川未明の『赤い蝋燭と人魚』は「裏切り」を扱っているのだから、この両者の人魚の主人公の話を見聞した作家は自分の描く人魚の主人公は幸福な展開を選ぶのは当然なのだと思う。


 安里も当然、人間の少年と両想いになったのはよいが、安里は妖精で200年も生きるのだから、この後をどうするかが問題である。しかし、先が未明だからこそ、続きを考えて文章化させるのは作家としての喜びの一つだと、作者は思う。