2弾・9話 アクアティックファイター、再集結


「これは一体全体どういうことなんだ……!?」

 神奈くんは目の当たりの光景を目にして呆然となる。見知らぬふたりの女の子が怪物を相手にして戦っているのを。

「ふん、人間が何の用だ。ヤドリマ、妖精も人間も倒してしまえ」

 モリタテがヤドリマに命令を出し、ヤドリマは脚を動かし前進して安里と神奈くんの方向へ向かってきた。

「そうは……させない!!」

 比美歌がヤドリマを止めようとしたが、モリタテが飛び出してきて比美歌の前に現れる。

「なっ……!?」

 突然現れたモリタテを目にした比美歌はつい止まってしまい、モリタテは大きな拳を振るって打撃を与える。モリタテの攻撃を受けた比美歌は砂浜に落下して強く叩きつけられて、砂が舞う。

「あっ……!!」

 安里はモリタテに襲われた比美歌を目にするも、本名で呼んだらいけないと思ってとどまった。安里と神奈くんの目の前にはヤドリマが近づいてくる。安里はもうダメだと思ったその時だった。

 ヤドリマの周囲に無数の炎が発し、ボウンと大きな音を立てて爆ぜる。炎を受けたヤドリマは横に倒れて砂塵が舞い散る。

「なっ、何だ!?」

 モリタテ、起き上がろうとする比美歌、安里、神奈くんは突然炎が発せられたのか目を見張った。ヤドリマの反対方向の砂地に二人の少女が立っていた。一人は緑色の衣の小柄な少女、もう一人は長身に赤と黒の衣装をまとった少女が立っていたのだ。

「間一髪だったな」

 赤と黒の衣装の少女が安里に声をかける。少女は紅蓮の瞳に瑠璃色の長い髪はハーフアップ、両腕に赤いアームカバー、赤いロングビスチェに黒いひざ下まであるスカートにはスリットが入り、足元は赤いハイヒールパンプス、胸元には金色の鎖に赤い小瓶型ペンダント――チャームが提がっていた。

「あなたはフェルネ!! どうしてこんな所に……」

 安里は赤と黒の衣の少女に訊いてくる。

「そんなことより今はあの怪物を倒すほうが先だ。まずは動きを止めるんだ」

 フェルネは安里と比美歌と法代に指示を出してくる。突如、四人目のアクアティックファイターの出現にモリタテは戸惑う。

「何てことだ。まだ仲間がいたのか。ヤドリマ、四人とも倒してしまえ!」

 モリタテは再びヤドリマに乗っかり、体を起こしたヤドリマが四人の妖精に向かってくる。安里は神奈くんに声をかける。

「あなたは安全な場所に避難して!」

「わ、わかった!」

 神奈くんは現場を離れ、四人の妖精はヤドリマに立ち向かう。まず法代が海藻型のエネルギーの拘束術、ウィーディッシュ=エナジーバインドを出してヤドリマの両手首と脚を縛り付け、続いて比美歌が音符型エネルギー攻撃、セイレーン=ビューティーサウンドでヤドリマを怯ませ、次にフェルネが相手の周囲の温度を上げて熱気を放って吹き飛ばすバイパー=ヒートエクスプロードを繰り出してきて、ヤドリマとモリタテはフェルネの攻撃を受けて体が焼ける。

「アンフィリット、今だ!!」

 フェルネが安里に言い、安里はとどめを刺すときに放つ技を詠唱する。

「人が創りし物に悪しき命が宿りしヤドリマよ、この光を導くアンフィリットが清き流れで輝き払う。

 マーメイド・スプラッシュトルネード!!」

 安里の掌から光を帯びた水の竜巻がヤドリマを包み込み、ヤドリマは断末魔を下げて、淡い紫色の光が弾け散ると、ヤドリマに付いていた呪符が剥がれて一艘の小型クルーザーに戻って、クルーザーは海に浮かぶ。

「うぐあっ!!」

 モリタテは止めの技の時に放り出されて浜辺に転がり込む。

「うう……アクアティックファイターどもめ……」

 モリタテは安里たちを睨みつけるも、フェルネが視線を向けて返してきた。

「まだやるのか?」

 フェルネの紅蓮の眼を見て、その意志の強さにモリタテは引いた。

「ううっ、今回は負けを認めてやるが、次こそは必ず……!!」

 そう言い捨ててモリタテは地に黒い歪を出して消えてしまった。

「あの子たち、アクアティックファイターっていうのか……。女の子なのに怪物を倒してしまうなんて……」

 安里たち四人は気づいていなかったが、神奈くんは少し離れた所でアクアティックファイターとヤドリマの戦いを目にしていた。

「あ、いけね。急いで史絵たちのところへ戻らないと」

 神奈くんは史絵と友人たちを待たせていたことを思い出してバス停に戻っていった。


「改めて、久しぶりだな。アンフィリット、比美歌」

 フェルネは安里と比美歌にあいさつした。

「わたしが海に落ちた時、フェルネさんが助けてくれたんです」

 法代が安里と比美歌に説明する。

「うん。だけどフェルネ、どうして人間界に?」

 安里が尋ねると、フェルネは答える。

「わたしも人間界でアンフィリットたちと生活しようと思ってな」

 フェルネは自分が人間界にやって来た理由を述べる。

「ええっ、唐突すぎるよ。てか、フェルネまでいなくなったら、お父さまとお母さまが寂しがるんじゃ……」

 安里が呟くと、フェルネはこう言ってきたのだ。

「それなら大丈夫だ。エトワール夫人に二人目の子供が出来て、それから後で生まれることになった」

 それを聞いて安里だけでなく、比美歌や法代も仰天した。

「えええ〜っ!?」

 何と安里が人間界で過ごしている間に、ミスティシアのマリーノ王国にいる安里の母、エトワール夫人に二人目の子供が授かってそのあと生まれることを知って驚くのも無理はなかった。

「る、安里さんに歳の離れた弟か妹が……」

「何を言っているのよ、法代ちゃん。妖精は人間より長生きなんだから、一〇歳や二〇歳も歳の離れた兄弟なんていてもおかしくないのよ……」

 比美歌が法代に言うと、他にも忘れていたことがあったのを思い出して叫んだ。

「い、郁ちゃんのことを忘れていたぁ……」

 比美歌は郁子だけを避難させていたことを思い出すと、安里と法代も郁子の存在を忘れていたことに気づいたのだった。


 安里たちは変身を解いて舟立海岸を去って近くのバス停に来ると、郁子が大島くん・中島くん・小島くんと待っていたのだ。

「あっ、宇多川たちが来たぞ!」

 中島くんが海岸の方からやってきた安里たちを目にして叫んだ。

「ご、ごめんなさ〜い。はぐれちゃって……」

 比美歌はバス停で待っていた郁子たちに謝る。

「まったくぅ、わたし歩ちゃんたちの姿が見えなくなったことにパニックなって、どうしようと思ったんだよ!?」

 郁子は比美歌に向かって不安を帯びた怒り方をした。

「んで、おれたちが宇多川らが帰ってくるまでに田所の付き添いをしてた訳。あれ、この子は?」

 大島くんが安里・比美歌・法代の他に、もう一人の女の子の存在に気づく。長い髪を一括りにして肩にかけて、赤いホルターネックのトップスに黒いサブリナパンツ、足元は黒いストラップサンダルの身なりで、手には大きなボストンバッグを持っていた。

「あ、この子は……」

 安里が言おうとした時、赤い服の女の子が言った。

「朱堂炎寿(すどうえんじゅ)。真魚瀬安里の従姉妹で、さっき落ち合った」

 女の子は大島くんたちに自己紹介をした。それを聞いて安里・比美歌・法代は目を丸くする。

「ああ、真魚瀬の従姉妹? てことは、ギリシアから来たの?」

 小島くんが尋ねてくると、炎寿はうなずいた。

「両親がアフリカに転勤することになって、わたしはそこの環境には馴染めないということで、安里の父母である伯父と伯母を尋ねて日本にやって来た」

 炎寿は場にいる面々に自分が日本にやってきた訳を話した。安里と比美歌と法代は炎寿の台詞を疑問に思っていた。

(人間界で暮らすためとはいえ、よくもまぁスケールの大きい建前だな……)

 やがてバスが来て、安里たちは保波駅の方へ向かっていった。時間は夜の九時を回っており、また花火大会に来ていた人たちもすでに各所に帰っていったため、バスの乗客は安里たち八人であった。

 安里・比美歌・法代・炎寿は後ろの席に座り、一つ前の席に郁子、その近くの席に大嶋くん・中嶋くん・小嶋くんが二人がけの席に座っていた。

「あのさぁ」

 安里が隣に座る炎寿に小声で尋ねてきた。

「いきなりとはえ、わたしのクラスメイトに従姉妹っていうのは何なの、フェルネ?」

 安里はフェルネの炎寿の本当の名前を言う。

「何を言っているんだ。フェルネだと日本にしてはおかしい名前だから、ムース伯爵が付けてくださったんだ。わたしは気に入っているがな」

 朱堂炎寿はフェルネが変化自在法で人間に姿を変えていたのだ。

「でも安里さんの従姉妹としては強引なような……」

 炎寿の右隣に座る法代が小声で突っ込んでくる。

「従姉妹しか思いつかなかったのだ。これからはよろしく頼むぞ」

「あ、うん、炎寿ちゃん」

 比美歌がフェルネの人間名を呼んで応える。比美歌の前に座る郁子は炎寿を見て訊いてきた。

「炎寿ちゃん、来週から始まる秋の新学期の学校はどうするの?」

 それを訊かれて安里と比美歌と法代は「あ」と呟いた。

「これから手続きする。できれば安里たちと同じ高校に行けたらの話だが」

 炎寿は答えた。安里はあることに気づいて、中島くんに尋ねた。

「あ、あの、神奈くんと鈴村さん、どうしたの?」

「ああ、瑞仁なら鈴村さんを家に送るから、って先に帰っていったぜ」

「そ、そうなんだ……」

 安里はそれを聞くと納得したのと残念な気持ちが浮かび上がってきた。

「神奈と鈴村って誰だ?」

 炎寿がそれを耳にすると比美歌が教える。

「わたしと安里ちゃんと郁ちゃんと同じクラスの男子でバスケットボール部員。鈴村さんは神奈くんの幼なじみで三年ぶりに台湾から日本に帰ってきたの」

「神奈と鈴村ねぇ……」

 炎寿が呟く。炎寿は他にも安里の学友がいて、その二人に今日会えなかったことに惜しいと思っていた。


 やがてバスは各人の目的地に着いて、郁子と比美歌は磯貝三丁目で下車し、安里と法代と炎寿は磯貝五丁目で下車し、安里は法代を彼女の家に送ってから、自分たちの住まいである『メゾン磯貝』の二〇一号室に帰っていった。

「ただいまー」

 安里はあいさつをして玄関に入り、炎寿も中に入る。

「アンフィリット様、お帰りが遅かったじゃないですか!」

 カモメ姿のブリーゼと海亀姿のジザイが安里に駆け寄る。

「あ、うん。ヤドリマが出て大騒ぎになっちゃって……。手間取っちゃったけど、フェルネが現れて……」

「フェルネ?」

 安里の話を聞いたジザイが安里の後ろに立っている少女、炎寿を目にする。

「今日、来たんだ。人間界に……」


 安里と炎寿、ジザイとブリーゼは居間に集まってフェルネが人間界に来た話を聞いた。

「つまりフェルネ殿は再教育を受け終えた後、アンフィリット様のサポートをするためにムース伯爵様の命によって人間界に来たと……」

 ジザイは炎寿=フェルネの話を聞いて理解する。

「ああ。それにエトワール夫人に二人目の子供が出来ることになったし、わたしも人間界で世話になろうと思った。

 もう人間界で暮らすための身分証明書や学校に行くための紹介状も手に入れた」

 炎寿はボストンバッグから大きめの封筒を出して見せる。

「エトワール様に二人目のお子が……。おめでたいけれど、人間界とミスティシアでは、時の流れが異なりますからねぇ」

 ブリーゼが呟いた。安里たちが人間界で八ヶ月暮らしている間、ミスティシアでは二年数ヶ月の月日が経っていた。従ってフェルネがマリーノ王国で再教育を受けてきたのはミスティシア時間で三、四ヶ月となる。

「フェルネが人間界に住むとなると、フェルネが寝たり勉強したりする場所どうしよう」

 安里が今住んでいる『メゾン磯貝』にフェルネが住むことに悩ませた。『メゾン磯貝』は一世帯2DKトイレ風呂付きで、部屋は六畳間の一つは安里の部屋、もう一つは居間兼ブリーゼとジザイの寝室として使っている。

「それもそうでしたな。こうなったら……」

 ジザイは心に決めた。


 あと数日で秋の新学期を迎える頃、引っ越し会社のトラックが『メゾン磯貝』の前に停まり、真魚瀬家の住人は食器やテレビや衣類などはトラックに詰め込んで、教科書や通帳などの小さな荷物はリュックやバッグに入れてバスに乗って引っ越し先に向かうことになった。他の『メゾン磯貝』の住人に別れのあいさつを済ませてトラックは先に新しい家へ走り出し、真魚瀬家の四人もバスに乗って、磯貝四丁目へと向かっていった。安里と炎寿は同じ席に座って炎寿はバスの窓から低層ビルや店の並ぶ保波市の町並みを見て楽しんでいた。バスが目的地の磯貝四丁目に着くと、真魚瀬家の四人はバスを降りて、様々な家の並ぶ住宅街を歩いていって、その住宅街の中にある七階建てマンションの前に着く。マンションはレンガ色のプレハブ造りで、広々としたエントランスホールの出入り口の上に『ベルジュール磯貝』とアルファベットで書かれていた。

『ベルジュール磯貝』は一階が駐車場と駐輪場になっているマンションで、二階以降は住まいとなっていた。すでに引っ越しトラックが着いていて、引っ越し業者の人たちが家具や電化製品を運んでいた。

「我々は階段を使いましょう。エレベーターは荷物運搬や車椅子などの人用ですから」

 人間姿の自在が安里と炎寿に言った。

 新しい住まいは『ベルジュール磯貝』の四階にあり、四階の真ん中の四〇三号室が真魚瀬家の引っ越し先であった。階段をフウフウ言いながら昇った安里と炎寿命はようやく着いたのだった。

 部屋の中は3DKで洋間は安里と炎寿が一つずつ使い、和室を居間兼ブリーゼとジザイの寝室にすることにした。

 その後は家具の配置決めや電化製品のセットを行い、夜の六時半頃には完了したのだった。

「あー、やっと終わったよ」

「でも四人でようやく済ませることが出来ましたからねぇ」

 引っ越し作業に疲れた安里が片腕を回し、ブリーゼがカモメ姿に戻って言う。

「すまないな。わたしのためにわざわざ引越しすることになって」

 炎寿が海亀姿のジザイに言った。

「流石に四人で以前の家は辛いと思って引っ越しする他なかったですしな。何よりフェルネ殿も自分の部屋があった方がいいでしょうと」

 ジザイはフェルネのために前より広いマンションに引っ越しすることになり、『ベルジュール磯貝』の一室を賃貸契約したのだった。『ベルジュール』は『メゾン磯貝』より家賃が七万円と高かったが、安里たちが初めて人間界に訪れた時に売った宝石のお金が残っていたので問題なかった。

「今日の晩ご飯は外食にして、その帰りに食材を買いにスーパーへ行きましょうか」

 ブリーゼが安里と炎寿に言った。

 ブリーゼとジザイは人間の姿になって安里と炎寿を率いてマンションから出て十分歩いた大型スーパーとレストランが数軒あるエリアにやって来て、和食屋で丼ぶりや定食を注文して食べてから、大型スーパー『ピュアリーマーケット』で野菜や果物などの食材を買った。

『ピュアリーマーケット』は以前住んでいた近くの『スーパー丸木屋』と異なる点はアメリカやヨーロッパからの食品も扱っていることで、お菓子売り場にはアメリカやベルギーのチョコレート、酒売り場ではフランスやハンガリーからのワインが置かれていた。

 夕食と買い物を終えると、安里は炎寿の部屋を訪ねてきた。炎寿の部屋は海の中を再現させたような安里の部屋とは違い、カーテンや寝具カバーは赤や黄色やオレンジの暖色系で、まだら模様や二重の円が連なったような模様を好み、学習机や本棚は黒く塗った木製で、黒檀のようにも見えた。床にはまた神秘的な模様の厚手木綿のラグが敷かれており、人間界でいうところのオリエンタル風であった。

 安里の部屋と共通なのはクローゼットとベランダに通じる窓ぐらいで、インテリアや衣類などは完全に炎寿の趣きであった。今日の炎寿の服装も赤いペイズリーのチュニックとカーキ色のハーフパンツの物である。

「ああ、アンフィリットか。わたしに何の用だ?」

 炎寿は床でくつろいでおり、安里の本名であるアンフィリットと呼んだ。

「うん。ちょっと話がしたくってね……。フェルネはさ、マリーノ王国での暮らしはどんなんだったの?」

「マリーノ王国ではわたしが所属していたドレッダー海賊団だったこともあって、セレーヌ女王とムース伯爵夫妻以外の住人からはなかなか信用してもらえなくなって苦労したな。

 でも罪を償うというのは、わたしが生きるためのチャンスだったから、奉仕も勉学も励んできた。いずれはアンフィリットたちと過ごすための人間界学は面白くて試験の時期には高得点を採ったんだ」

 炎寿はマリーノ王国で過ごした日々を安里に教えた。炎寿の眼は炉の中の火のように活き活きとしていた。

「他にも生物や地理などの勉学をして、それなりに知識がつくとムース伯爵が人間界での生活を勧めてくれたんだ。人間界で暮らすための身分証明とかもやってくれたし」

「そうだね。あとお母さまに赤ちゃんができたのも驚きだったし」

「エトワール夫人ももう一人の子供が授かったことで寂しくなくなったからな」

 炎寿はクローゼットの前にかけられた白いセーラーシャツとオリーブグリーンのベストと芥子色のスカートを目にする。炎寿は数日前、保波高校での編入試験を受けて通うことになった。

「フェルネも保波高校に転入することになったしね」

「家でも学校でも一緒にいられるからな」

 炎寿は新しい家も学校も決まったことも話すと、安里に語りかけてくる。

「人間界でアンフィリットたちがヨミガクレなんていう輩と戦っていたことには知らなかったけれどな」

 炎寿が人間界を訪れた日の夜、船に甲殻類のハサミと脚を持つ怪物が安里たちと戦っていたのを目にした時、炎寿は久しぶりにアクアティックファイターとなって、安里たちに加勢したのだった。

「だけどフェルネがいきなりだったけど、加わってくれてからわたしたちは勝てんだんだよ」

 安里は炎寿に右手を出してくる。

「フェルネ、これからはアクアティックファイターとしてだけでなく、わたしの家族やクラスメイトとしてもよろしくね」

「ああ。約束する」

 炎寿も手を出して安里と握手した。

 ヨミガクレは手強くなっていくだろう。しかし安里には四人目の仲間・炎寿も現れたことで四人で立ち向かっていくことを誓ったのだった。


〈第二弾・終了〉