ワンダリングスはヴィントル星で三番目の創造神、ウィーネラの魂の結晶を見つけ、更にアジェンナがウィーネラの依代をとなり復活した。またウィーネラは高智の神であるため、高知能を持つが故に四番目の創造神はテー星域にあるエイスタイン星にいると察して、ウィッシューター号はエイスタイン星に向かっていった。 「いちゅになったら、エースタインせいにちゅくのかなー」 ピリンが自分の部屋でリブサーナと共にくつろぎながら言った。ピリンの部屋は明るい部屋の布や雑貨のあるファンシーな部屋で、くつろぎスペースとして使っている床には四人まで座れる大きさの淡い色のカーペットの上に座っていた。 「確かにヴィントル星を出て一三〇時間は経っているけど......。その間に訓練や情報収集ができる訳だし、せかさなくたって」 リブサーナがピリンになだめるように言った。宇宙空間にいる時のワンダリングスの面々は二時間おきに司令室兼操縦室を交代したり、射撃や実戦の訓練、エイスタイン星に関する情報の学習、他にも近くの惑星の電波を届かせて番組観賞したりと個々の好きなように過ごしていた。 ブリックは自分の実験室でエイスタイン星で使う薬品の調合をしていた。ブリックの研究室は金属の机に棚、机上のノート型端末や実験器具は突然の震動で落ちないように底に磁石をつけていた。棚には色や成分の異なる透明プラスチックのケースが陳列されており、それらは宇宙市場(コスモマーケット)や辿り着いた惑星の植物のエキスを搾り取った物であった。 「ふーむ」 右手に青、左手に黄色の薬液が入った試験管の調合をしながらブリックは新薬の開発に勤しんでいた。肩まである銀髪に鮮やかな青い眼、透き通るような白い肌、白衣の下は青が基調の服。一見人間型異星人(ヒューマンがたエイリアン)に見える彼は有機合成人間レプリカントで、爪から脳まで人工臓器の塊で、寿命三〇〇年の不老長寿の体とハイパーコンピューター並みの知能を持っていた。 レプリカントは本来は有機生命体なら危険な火山帯や極寒地などの場所で働くために生まれた人工生命体で、開発センターで造られた後は適性検査を受けて定められた場所で労働する。レプリカントの中には労働場所での天変地異や隕石衝突などの事故で遠くの場所に飛ばされてしまうこともあった。幸い人工生命体のため傷の治りが早く、宇宙空間でも生きられるため他の異星人に拾われて新しい仕事を得て生きることもあった。 ブリックも齢八十三歳で、以前の職場がなくなって宇宙空間を漂っていたところをグランタス艦長に拾われてワンダリングスのメンバーになったのだった。 (連合軍仕えや宇宙客船勤めのレプリカントがいるとしても、"あのお方"に仕えているレプリカントがいたらどうするか......) レプリカントは肉体頭脳面では有機生命体より優れていても、立場身分的には有機生命体より劣ることがあった。そのためレプリカントが差別虐待迫害される問題があったり、ブリックもレプリカントに関する事件に携わってきた。 するとブリックが着ている白衣の胸ポケットに入れている携帯端末が鳴り、ブリックは端末を手に取り、<通信>のアイコンを押して、画面にヒートリーグの顔が立体的に映し出されてくる。 『ブリック、あと四時間でエイスタイン星に着くとこだけど、司令室で今回の作戦会議を開くよ!』 「おお、そうか。教えてくれてありがとう。今行くよ」 通信をアウトしてブリックは白衣を脱いで司令室に向かっていった。 司令室は操縦席の一段高い所にあって、盤状モニターとコントロールパネル、グランタス艦長が座る司令席。ワンダリングスはエイスタイン星での作戦決行のためにメンバーを集める。 「今回行くのはリブサーナ、ドリッド、アジェンナは言うまでもなく。医療係としてブリック。そしてヒートリーグだ。 なにせエイスタイン星では万年冷季の星だからな。わしゃ歳のせいか暑いのや寒いのには体にくるし、ピリンも以前フリズグラン星で参戦したとはいえ、幼子にはきつかろうと」 「かんちょーがしょーゆうんならね......」 今回は留守番をすることになったピリンが呟く。一方で張り切っていたのはヒートリーグであった。 「よっしゃ! 前回出られなかった分だけ、やるぞ!!」 惑星エイスタインは地表が白く雪で覆われており、海や水辺を表す深い青の対比が美しく見える。また惑星情報によれば現住民は地熱を利用しての発電や冷水の熱湯化で生活しており、電熱で観賞用の植物や作物を育てているという。 ワンダリングスが降り立ったのは北と東に針葉樹の森、西に小さな湖、南が大雪原になっている集落の近くで、レンガや丸太で作った家屋の他に地熱エネルギーで育てる半円柱状の建物の畑がいくつかあり、住民も以前創造神が見つかった星の住民とは異なる獣型異星人で、体毛に覆われた体に小さな耳と長い尾を持つイタチかカワウソを思わせる種族であった。 リブサーナたちもボア付きのアウターに皮手袋、雪よけ付きのブーツ、携帯端末などの必需品を持って、エイスタイン星のこの集落にやってきたのだった。 「本当にこの集落の近くに四番目の創造神の気配があるっていうの?」 機械生命体でバイクにも姿を変えられるヒートリーグがアジェンナに尋ねた。 「うん......。ウィーネラによると、この村、イーゼ族が住むウーゾ村っていうんだけど、まず長老に会ってから創造神に関する話があるか聞いておかないと」 アジェンナはヒートリーグに教える。アジェンナがウィーネラの依代になってから、彼女の夢枕に時々ウィーネラが出てきて、他の創造神の気配があるとアジェンナに教えてくれていた。惑星だけでなく星内座標や主要種族名といった細かいことも伝えてくれるのだった。 「イーゼ族ではないけれど、エイスタイン星にも宇宙連合軍所属者がいて、彼らにおイーゼ族の集落の通交証を発行してもらったから出入の問題はない」 ブリックがヒートリーグたちに言った。エイスタイン星人の何種族かが宇宙連合軍に加盟登録されており、イーゼ族のような非加盟者の居住区に入るにはその星の連合軍所属者の許可をもらわないといけなかった。 村の丸太の門柱には手槍を持った見張り兵がいて、ブリックはエイスタイン星の連合軍兵が送ってくれた赤胴板の通行許可証を出して村への入場許可を受け取った。 イーゼ族の住むウーゾ村は大人たちは半円柱の建物の中で作物となる麦や豆を育てたり、別の電熱畑では雪や霜を思わせる城や水色の花を育てるイーゼ族もおり、子供たちは雪だるまを作ったり雪の地面に線を引いてケンケンパなどの遊び、老人は家の中で糸車を回して糸をつむいだり機織で布を織ったり、幼子に話を聞かせる者もいた。青年は村の近くの湖で漁をしたり森で枝を集めて薪(たきぎ)にしていた。 リブサーナたちは村の人たちから長老の家を教えてもらい、ヒートリーグはバイクの姿に変えて村人から騒がれないようにしたが、村の子供たちが見慣れない乗り物を目にして珍しがっていた。 長老の家は丸太の屋根と柱にレンガの壁で出来た大きめの家で、長老の一番上の孫息子が伝えにいって、リブサーナたちは長老の家にお邪魔する。ヒートリーグはバイク姿のまま家の外で待つことになった。 「何か僕、扱いが不憫になってなくない?」 「ヒートリーグは大きすぎるから......」 リブサーナがヒートリーグをなだめて、自分たちの要件が終わるまでバイク姿でいるように待機させた。 長老の家は入ってすぐが居間で二十人が入れるほどの広さで、木の幹を椅子の形にした物や大きめの木を卓にした家具、地熱で動くテレビなどの家電製品もあり、椅子の座布団や床のカーペットや壁のタペストリーは柔らかな木の繊維で作った布で草や色石を粉にして染めて濃淡などを表現している布が多かった。 長老は元々はこげ茶色の体毛に覆われていたが、所々に白い毛が入りひげも白く、厚手の衣に堅木の杖をつき、孫娘の一人に支えられてリブサーナたちの前にやってきた。長老の孫娘はリブサーナたちに卓の近くの椅子に座るように促し、また孫息子の一人が長老と客人にもてなす茶と菓子を木の盆に乗せてやってきた。茶は透明な赤茶色でバターと砂糖が入っており、菓子は柔らかな白い生地に赤や緑などのドライフルーツが入った茹ででから蒸すケーキであった。 「あー......。客人殿。あなた方がエイスタイン星の連合軍の許可証を持ってきて、わしらの村に来たのは何の用で?」 長老はブリックたちにエイスタイン星の標準語とは異なるウーゾ方言で尋ねてきた。エイスタイン星の標準語は高低はないのに対し、ウーゾ方言は中間で高くなって終わりで下がるのが特徴だ。 「はい。長老はこの星の大いなる神の伝承をご存じですか? 我々は<神>を探しているのです」 ブリックが長老にも通じるようにウーゾ族が使うエイスタイン星の方言を使って話してくる。 「まぁ、壮大過ぎると思われますが、宇宙では今、大いなることが起きようとしましてね......」 そう言ってブリックは長老にテーラ星の魔神と六大創造神の話を聞かせる。 「......何ということじゃ。何千年も前に封印されたテーラ星の魔神が甦ったと同時に六柱の創造神も復活して、しかもそのうちの三柱がそなたたちを依代として現れたなんて......」 長老の傍らに立っていた孫娘もあ然としており、長老はテーラ星の魔神の復活を聞いて目をひん剥かせる。 「はい。それもテーラ星の魔神は着々と野心のある異星人たちを集めて配下にし、宇宙各所を襲い支配し、連合軍も相手にしているとのことです。 長老、大がかりなものでなくてもいいのです。エイスタイン星に伝わる<神>の話を教えてくだされば――」 ブリックは何とかして長老に乞い、リブサーナたちもハラハラしたりソワソワしたりと反応を取る。長老もワンダリングスの様子を目にして咳払いをし、エイスタイン星の<神>の話を語りだす。 「これはエイスタイン星の主要種族であるエスト族に伝わりし神話ですが......」 エイスタイン星は太古から寒冷に覆われた星であったが、住民は鉄鉱などの鉱石で火を出したり、乾木を摩擦で発火させたり、一分でも暖を取るための方法を見つけたりとして生きてきた。住民たちが地熱を使って生活するようになる前の時代にエイスタイン星に<干ばつの期>が訪れた。 <干ばつの期>とは雪の降らない日が五、六日続いた後に普段は白夜にしか姿を見せない太陽が現れて雪や霜を溶かしていき、地面から草や色鮮やかな花が何百種類と生えてきて、気温も上がって住民は外套要らずで過ごしてきた。だが、気温は日々上がるにつれ、大地が乾いてひび割れて、草木や作物は日照りで枯れていき、暑さで老体や虚弱な者が次々に死亡していき、川や泉の水が枯渇していき、住民や生物は飢えと渇きで苦しんでいった。 <干ばつの期>が一〇〇日目になった頃、エイスタイン星の中心のヘルデレ湖の深さが一尋になった時だった。湖の中心から涼しい空気と水があふれ出し、エイスタイン星の気温は下がり、水かさが増えて大地が霜と雪に覆われた時、熱と渇きで苦しんでいた者たちは活き返った。 ヘルデレ湖から不思議な声がした。 「私は水雪の創造神、スプレジュニオ。<干ばつの期>は去った。エイスタイン星はまた雪と冷気の星に戻ってしまうが、お前たちはこの方がいいだろう。そして地熱の力を利用して生活していくがよい。花や作物はそれで育てられるだろう」と。 エイスタイン星が再び雪と冷気の星に戻ると、エイスタイン星の住人は地熱を利用して生きていくようになった、と――。 長老の話を聞いてリブサーナたちは感心する。ソルトゥーが闇の中から星民たちに万年昼の恵みを与えたように、ウィーネラが争いあう星民に生きる知恵を与えたように。またスプレジェニオも乾燥と熱から星民を救ってあげたことを知って。 「スプレジュニオの魂の結晶はヘルデレ湖に行けばあるのかな?」 リブサーナが長老から聞いた話の中にヘルデレ湖が四番目の創造神の手掛かりになのではと言った。 「ヘルデレ湖にスプレジュニオの魂の結晶があったとしても、氷が張ってて水も冷たいだろうに......」 ドリッドが答えると、アジェンナは長老に質問する。 「やっぱりなんですかね、創造神がいるのって湖底あたり?」 「それは......」 長老が返答しようとした時、リブサーナの体が軽くしなって、顔つきと口調が変わった。フリーネスがリブサーナの体を借りて現れたのだ。 「わざわざ湖底まで潜る必要はありません。私たち創造神は互いが見えない鎖のように繋がっているので、スプレジュニオは他の創造神からの呼びかけがあっても、姿を現すでしょう」 長老と孫娘はフリーネスの気高く品のある言葉づかいを聞いて驚くも、深々と頭(こうべ)を垂れてきた。 「ああ、あなたが創造神の......。あなたのお仲間であるスプレジュニオは伝承通りならば、ヘルデレ湖にいるでしょう」 「やっぱりな。長老の話も聞けたし、四番目の創造神を探しに行こう」 ブリックが他の面々に言って席を立ちあがる。こうしてワンダリングスは四番目の創造神がいるというヘルデレ湖へ向かっていった。 一方、エイスタイン星のある雪原では粉雪の舞う中、長身の人間型異星人の青年がボアの付いた黒いフード付きローブを身にまとい、隣にも同じ外套の男とも女ともつかない青年よりも背丈の低い人物がヘルデレ湖に向かっていった。 「チッ、寒いし雪だらけで視界が厳しいし、ところでお前の占い通りに、アレがいるんだよな?」 青年は荒々しい口調でもう一人の人物に尋ねてきた。同行者はフードを目深にかぶり、顔の下半分からは小高い鼻と細長の唇に白い肌と男とも女ともつかないようで、軽くうなずいた。 「だよなぁ......。お前は有機合成人(レプリカント)とはいえど、その千里眼と予知能力のおかげで、我々は数多の星々を征服できたのだからな」 青年は同行者にそういうと、ヘルデレ湖に進んでいく。 「......にしても、雪上走機ぐらいは支給して欲しかったぜ。リークスダラーめ、使いたけりゃ四万コズムをよこせ、って......。ぼったくりもいいところだぜ」 リブサーナたちはウーゾ村を後にして、一度ウィッシューター号に戻り、小型宇宙艇ミニーシュート号に乗って、エイスタイン星の中心、ヘルデレ湖に向かっていった。ミニーシュート号は機体が丸い薄青い宇宙艇で二人しか乗れないため、ドリッドが一機、アジェンナとブリックが一機、そしてリブサーナがバイク姿のヒートリーグに乗っていた。 「ヘルデレ湖に眠る創造神かー......。この星が万年冷季なのはそのためだったんだね」 ヒートリーグがバイク姿のまま走りながらリブサーナから聞いた伝承を理解する。ヒートリーグが寒冷地を移動する時はタイヤに滑り止めの鎖を巻きつけており、表面の摩擦による転倒を防いでくれるのだった。 「うん。創造神って、星に危機が訪れた時に星民を救ってくれるって」 リブサーナはヒートリーグに言う。二人の上空にはミニーシュート号が粉雪の舞う中飛行しており、ブリックが操縦してアジェンナが同乗していた。 「うーむ......」 ブリックは操縦かんを握りながら、これから起こるであろう問題に口を結んでいた。 「ブリック、さっきから進むにつれて唸っているけど、どうかしたの?」 アジェンナが尋ねると、ブリックは返事をする。 「、"あのお方"の配下のことなのだが、宇宙各所のお尋ね者や、"あのお方"に志願した者、種族の異なる宇宙人種が集まっているとはいえ、レプリカントもいるのか、と......」 「そりゃあいるでしょうよ。高知能に再生ボディ、不老長寿とメリットありまくりだもの。レプリカントの中には、"あのお方"もしくは、"あのお方"の配下に救われて忠誠を誓っている者もいるんだろうけど......」 アジェンナがブリックに言うと、ブリックはレプリカントの中には一二〇歳を超えた物の中には千里眼や予知能力といった能力を持つ者が出てきて、そういうレプリカントが自分たちの敵として現れるだろう、と言った。 「レプリカントは人工生命体とはいえ、自分が生きてきた環境によって特殊能力を持つ者も発生するんだ。もちろん後天性だ。能力もちレプリカントが金儲けなどで悪用されている場合は被害者だからまだいい。だけど、自らの意志で、"あのお方"についたことになると流石に......」 ブリックはグランタス艦長と共に宇宙中を旅している時に、能力持ちレプリカントと出会ったことがいくつかあった。尤も彼らは超能力を気味悪がられて迫害されていたり、奴隷として酷使されている被害者ばかりであった。 そうこうしている内にエイスタイン星の中心といわれるヘルデレ湖に着いた。ヘルデレ湖は間近で見ると、銀色に輝く巨大の氷の張った水面に見えるが、宇宙空間から見てみると、白い雪地の中に銀色の八芒星の形をしていた。ヘルデレ湖の周辺には村や町もあったが、それはごく少数で多くは無人地の針葉樹の林が多かった。 「ここに四番目の創造神が......」 リブサーナが呟くと、リブサーナの髪留めの中の結晶、ドリッドの腕輪、アジェンナのブローチもほのかな温かさを出して反応していた。 「これは......。やっぱりここにスプレジュニオがいるのね!?」 リブサーナは結晶に呼びかけるようにフリーネスに訊いてみた。すると、彼らの死角からエネルギーの弾丸が放たれてきて、リブサーナの方に向かっていく。 「危ない!!」 ヒートリーグがバイク姿から人型に変形してリブサーナの盾になった。ヒートリーグが庇ってくれたおかげで、弾丸は散りリブサーナも負傷することなかった。 「ありがとう、ヒートリーグ......」 リブサーナがヒートリーグに礼を言うと、アジェンナとドリッドが身構えて、自分たちの方へ向かってくる者の気配を察した。 「リブサーナ、久しぶりだな。まぁ、挨拶代わりの銃撃はさすがにまずかったか」 すると死角の茂みから浅黒い肌に長めの暗緑の髪、切れ長の琥珀色の瞳、細身ながらも筋肉質の体つき、背丈は一八〇センチ代の人間型異星人の青年が黒い厚手のローブ姿で現れた。 「エルダーン!!」 リブサーナは自分に銃を向けてきた青年を目にして叫ぶ。ドリッドたちはエルダーンの傍らに立つ人物を目にして尋ねてくる。 「おい、そこにいるお前も"あのお方"の配下なのか......?」 エルダーンより小柄な人物はフード付きの外套を着てフードを目深にかぶり沈黙していた。 「今回の俺には心強い味方がいるんだ。なにせ予知能力を持ったレプリカントでよ。創造神の魂の結晶のありかもお前らの行動を予知して、ここまで連れて来てくれたんだ」 エルダーンの台詞を聞いてブリックは自分の予感が的中したと悟った。 (なんてことだ。本当に"あのお方"に仕えるレプリカントはいて、しかも予知能力を持っているなんて......) 同胞が犯罪者だったり要注意人物だったりとはいえ、レプリカント同士の争いは望まない。ブリックは同じレプリカントが"あのお方"についていることに悩ませるのだった。 |
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