7弾・3話 創造神ソルトゥーの復活


あっ、ヒートリーグの奴がピンチに陥っているぞ!!」

 創造神ソルトゥーの魂の結晶がある洞窟から出てきたドリッドが山の麓にいるヒートリーグの危機を目にして叫ぶ。

「あの男が今回の〈あのお方〉から使われし戦士で、他は量産型の機械兵だ。機械兵はそのまま倒せるが、敵のリーダーは有機生命体だから流石に死なせてはいかん」

 ブリックが敵側の状況を把握してリブサーナ姿のフリーネスとドリッドに告げる。

「折角ここまで来たというのに......。邪魔はさせません!!」

 そう言うなり、フリーネスは能力を発動させて、リブサーナの体が緑色の光に包まれて、リブサーナは腕と脚と胸、腰と背中、両肩と頭部が緑色の装甲に覆われて顔を露出した鎧姿に変身させる。

 頭部に三本の角のような飾り、腕と脚と胸に木の蔓のような金色の装飾、胸は木の葉型の紋章、腰には白い前開きのスカートの装い。

 創造神フリーネスである。フリーネスは洞窟のある場所から飛び降りて着地する。

「え!? あ、おい、待て!!」

 ドリッドが止めようとしたが、フリーネスはすでに敵の方へ向かってしまう。

 ヒートリーグが二頭のパラドンを守りながらじっとしていると、双方の前にフリーネスが現れる。

「リブサーナ!? いつもと違う......。あっ、創造神のフリーネスか!」

 ヒートリーグがフリーネを目にして叫ぶ。

「ほう? ヒロインのお出ましか......」

 男はフリーネスを一目見てほくそ笑む。

「〈テーラの魔神〉に仕えし男よ。私は創造神・緑土のフリーネス。この者たちから離れなさい」

 フリーネスは男に立ち退くことを告げる。

「創造神? ああ、〈あのお方〉が言っていた自分を随分前に封印したという連中の一人か。緑土を司る女神にしてはきつくて偉そうな言い方だな。神様にも礼儀作法が必要なんじゃねーの?」

 男はフリーネスの態度を目にして呆れつつも反論する。

「何を言っているのですか。このガルヴォ山は先住民から見れば、神聖なる場所。お前たちのような邪な輩かずかずかと......」

 フリーネスが男に言い続けると、男は我慢できなくなり、拳銃の引金を引いた。

 ドウッ

 銃口から赤いエネルギーの弾丸が発射され、フリーネスの顔を横切って、真後ろの山の壁に孔が空く。孔から煙が出てきて、丸い孔にヒビが入る。

「ケッ。女神っていうから、物腰低くて品格があるかと思いきや......、実際は年寄りのように説教してきてきっつい性格だったとはなぁ。あ、実質年寄りか。何千年も生きてんだからな」

 男が小ばかにしたように笑うと、フリーネスから見て扇状に機械兵が銃口を向けていた。その内の五体はヒートリーグに銃口を向けていた。

「おおいっ、てめぇ! 何て卑怯なことを......!」

 ドリッドが敵の男に向かって叫ぶ。男がドリッドの声に気づいて振り向く。

「何って? 決まっているだろう。『創造神の魂の結晶を見つけ次第、破壊せよ』と〈あのお方〉からの命令だ。

 現に今、創造神が一人いて、もう一人の創造神の魂の結晶を持っていると見た。俺は今ここで創造神の魂を二つ破壊して、お前たちは生きたまま〈あのお方〉に捧げる。正に一石二鳥だ」

 男はテンガロンハットから見える眼を笑わせて、ドリッドとフリーネスに言った。

「やめろ! 今のフリーネスはリブサーナの体を借りているんだぞ! フリーネスを殺したらリブサーナも......」

 ドリッドは男に向かって止めようと叫ぶも、ヒートリーグはそれを聞いて、フリーネスに尋ねてくる。

「フリーネスを殺したらリブサーナも死ぬ? それはドリッドがそう思い込んでいるだけでしょ?」

 ヒートリーグの質問にフリーネスは答える・

「今の私は......、誰かの体を依代にしないと動けない状態なのです。私が死ねばリブサーナも死にます。迂闊でした......」

 その時、ヒートリーグがフリーネスに言ってきた。

なら、僕の体に憑いてよ! そうすればリブサーナは死なずに済むし、僕は機械生命体テクロイドだから、生命力はあるし......」

「し、しかし......」

 フリーネスがヒートリーグ頼み込みを目にした敵の男が痺れを切らして、二人に言う。

「おい、いつまでやってんだ? いい加減にしねぇと、十数える内に創造神を始末して、お前ら反逆者を生け捕りにする。

 ひとーつ、ふたーつ......」

 敵の男が数をカウントしだしたのを目にして、山の中腹にいるブリックとドリッドは話し合う。

「おい、本当にやる気だぞ、あいつ」

「だが我々が動けば、敵の機械兵の対敵動作プログラムが機能して、我々に武器を向けてくるのは確かだ。だからといって見捨てる訳には......」

 ブリックが敵陣の状況とその後の予想をドリッドに伝えると、ドリッドはギリ、と歯を軋ませて斜面を滑るように駆けていった。

「おい、ドリッド!」

 ブリックがドリッドの様子を目にして止めたが、ドリッドは駆け下る。すると、敵の機械兵が対敵動作プログラムを動かし、数体がドリッドに反応を示した。

「そうはいかねぇよ!!」

 ドリッドは手早く腰のポーチか携帯銃(ハンドライフル)とエネルギーパックのカートリッジを出して、構えると敵の機械兵が撃つ前に携帯銃の引金を引いて、敵の機械兵の頭にオレンジ色のエネルギーの銃弾を連射し、機械兵の頭を撃ち抜いて、機械兵は次々に倒れる。

「なっ、何だ!?」

 敵の男とヒートリーグ、フリーネスが顔を向けると、倒れた機械兵の中に昆虫型異星人(エイリアン)の男が立っているのを目にした。

「ド、ドリッド!!」

 ヒートリーグが安堵して叫ぶ。

「悪りぃ、遅れたな。だがしかし、お前が十数え終わる内に間に合ったってもんだ」

 ドリッドはヒートリーグに謝りつつも、敵の男に視線を向ける。

「......お前のその言葉からして、タウ星域のテキサ星らしいな。テキサ星は確か連合軍ni

加盟しているはずだぜ?」

 ドリッドが男の容姿と言語を察して尋ねてくる。すると男は沈黙した後、薄笑いを浮かべて返してくる。

「ああ、確かに俺はテキサ星の出身だ。テキサ星は連合軍の加盟惑星だけでなく、星個体としてはお尋ね者も多い惑星でね。聞いたことはないか? 〈三角撃ち(トライショット)のバルズレイド〉というお尋ね者の名を......」

 男はドリッドにこう言うと、ドリッドは思い出したかのように叫んだ。

「あ! 以前タウ星域にいた時、テキサ星の犯罪者リストの中にバルズレイドって名が......」

「そうだよ、俺のことさ。テキサ星に居られなくなった時、〈あのお方〉の部下が俺をスカウトしてくれたんだ。銃撃部隊の一隊長としてさ」

 バルズレイドは今自分がここにいる理由をドリッドに教える。

「ねぇ、バルズレイドって何をしたの?」

 ヒートリーグが尋ねてくると、ドリッドが教える。

「テキサ星で鉱脈の権利書六件の略奪と警官十人負傷、一般人を含めて六人殺害だ」

「何ということでしょう......」

 フリーネスもそれを聞いて引く。

「見つかっちまったのならしょうがねぇ。だが、三角撃ちはどんな敵でも逃がすことは出来ないんでねぇ!!」

 そう言うなり、バルズレイドは拳銃を持ち直して引金を引いて赤いエネルギー弾を三発撃ち放ってきた。上に一発、左右に二発。正に三角撃ちだ。ドリッドも負けじと小型小銃の引金を引いて、オレンジ色のエネルギー弾を撃ち放ってきた。しかし、一発目と二発目は撃ち合いによって消えたが、三発目の右はドリッドの左の二の腕を傷つけた。

「ドリッド!!」

 ヒートリーグがドリッドを助けようとしたが、敵の機械兵がヒートリーグに銃口を向けてきた。しかし、

「悪滅法、ネイチャープレセプト!!」

 フリーネスが長杖を出してきて、杖の先端から緑色の光が扇状に放たれて、敵の敵の機械兵はいっぺんに後方へ吹き飛ばされて、真っ二つになったり手足がもげたりと静止した。

「あああ、ありがとう......」

 ヒートリーグはフリーネスに礼を言う。するとフリーネスが手に入れたソルトゥーの魂の結晶がかすかに深紅の光を帯びているのを目にして、ハッとなった。

「これは......、ソルトゥーが依代を求めているのか!?」

「依代? なら僕が依代になってソルトゥーを甦らせるよ!」

 しかしヒートリーグが依代になろうとすると、魂の結晶の光が薄れてしまった。

「どうやら依代はあなたではないようです。もしかすると......」

 フリーネスはドリッドに目をやった。ドリッドは左二の腕を右手で押えており伏せていた。バルズレイドがドリッドに銃口を向け止めを刺そうとするところだった。

「これでお終いだ」

 その時だった。ソルトゥーの魂の結晶が燃えるような赤になり、ドリッドの方へ飛んでいったのだ。

「なっ......、何!?」

 バルズレイドもドリッドも突然のことに驚き、ドリッドは赤い光に包まれていった。

「ソルトゥーが彼を依代にして甦ったのです」

 フリーネスが目の当たりの出来事をヒートリーグに教える。山の一復にいるブリックも創造神復活の様子をしかと目にし、呆然としていた。

 光がおさまると、紅の装甲に覆われたドリッドが姿を現した。

 肩と腕と脚、腰と背中、胸と頭部が紅の装甲に覆われて両眼だけが露出されている鎧姿であった。

 頭部は昆虫のような二本の角の飾り、腕と脚と胸には火の玉のようなオレンジ色の装飾、胸には太陽の紋章が刻まれ、背中には鋭角な緋色の四枚の翅のようなマントが付いていた。口元をマスクで覆われた顔には赤銅色の三白眼が見えていた。

「おお、これが......創造神か......。フリーネスの方だけでも俺の部下を一気に倒しちまったことには仰天したが......、二人とも出てしまったのなら依代になっている人間ごと、魂の結晶を破壊してやる!!」

 そう言うなりバルズレイドは拳銃の引金を引いて、赤いエネルギー弾を三角状にして撃ち放ってきた。

「フリーネス、お前はテクロイドを守れ」

「わかりました」

 ソルトゥーに促されてフリーネスはヒートリーグの手を引いて、杖から緑色の波動を半ドーム状にして防護した。バルズレイドが撃った三角撃ち(トライショット)はソルトゥーの依代になったドリッドに向けられてきたが、ソルトゥーは空(くう)から長身の銃を出してきて、両手に持って構える。ソルトゥーの銃は機関銃と云うより幻想的(ファンタジック)な装飾の銃であった。

 ソルトゥーは右手で引金を引いて銃口から小さな赤い火の玉状の玉を撃ち放ってきた。それも三連射で。ソルトゥーの火の玉弾はバルズレイドの三角状のエネルギー弾の中心に入り、その二つが当たって赤みがかった爆破と煙を上げたのだ。

「く、くそっ!!」

 バルズレイドはソルトゥーの攻撃に怯んで三角撃ち(トライショット)を何度も撃ち放ってきた。しかしソルトゥーが次々に火の玉弾でかき消してしまうのだった。

「あれが陽炎の創造神の力......」

 ヒートリーグがソルトゥーの攻撃を見て呟き、フリーネスがドリッドがソルトゥーの依代になった理由を述べる。

「ソルトゥーは太陽と炎を司るだけでなく、銃撃戦が得意な創造神。ドリッドが依代に選ばれたのは仲間への熱き思いの他に、銃での戦いによる経験もあってのことでしょう」

 ソルトゥーにエネルギー弾を向けて撃っていたバルズレイドはついにエネルギー切れになった銃を投げ捨てる。

「クソッ」

 ソルトゥーがバルズレイドに近寄ってくる。

「このまま降参して連合軍に捕まるか。それとも危険を承知でここから逃げ出すか」

 バルズレイドが追い詰められたその時だった。突然空中から一人の人間型(ヒューマンがた)異星人(エイリアン)の女が現れて、自分の持っている携帯銃をソルトゥーに向けてきた。

「あ、あの女は......!」

 山の一復にいるドリッドが女を見て呟く。長い前髪の赤紫色のロングヘア、切れ長の瞳、白い肌、黒井光沢のタイト状のトップスとスカートとブーツとアームカバーに長身。以前バトナーチェ星やブラッド星の町で出会った〈あのお方〉の部下、ベラサピアである。

「バルズレイドは逮捕させないわ。私たちの方も連合軍に苦戦しているから人材に困るのよ」

 ベラサピアはバルズレイドを連れてアームカバー下の瞬間移動発生機(テレポーテーター)を動かして、ふた二人はどこかへ逃げ去った。

「き、消えちゃった......」

 ヒートリーグは瞬間移動したバルズレイドとベラサピアを目にしてポカンとなる。

「ソルトゥー、よく甦ってくれました......」

 フリーネスがソルトゥーに駆け寄ってきて話しかけてくる。

「ああ、フリーネス。久しぶりだね」

  ソルトゥーの声はドリッドと違い、凜々しさと逞しさの兼ねた声であった。

「遠い昔、私たちが封印したテーラの魔神が復活して配下を集めて、この宇宙を混沌に陥れようとしています。後の四人を集めて、早く倒さなければ......」

「わかった。私も久しぶりに戦って少し疲れた。依代の体を本来の持ち主に返さないとな」

 そう言うとソルトゥーの体は赤い光を帯びると、ドリッドの姿に戻り、ドリッドは眠ったように横たわっており、彼の右手には魂の結晶が握られていた。

「私もリブサーナに体を返します」

 フリーネスもそう言うと、体が緑色の光を帯びた後、リブサーナの姿に戻った。リブサーナはふらつくとヒートリーグが体を持ち直してくれた。


「ドリッド、おい、しっかりしろ」

 ドリッドがまぶたを開けると、目の前にはブリック、ヒートリーグ、リブサーナがいた。

「あれ、みんな。俺は何をしていたんだ......」

 ドリッドはガルヴォ山の麓で〈あのお方〉の部下と戦っていた筈なのに、いつの間にかウィッシュッター号内の医療室の治療ポッドの中にいたのだ。

「気づいてよかった〜。ドリッドは三日も眠ってたんだよ?」

「み、三日!?」

 ヒートリーグの台詞を聞いてドリッドは起き上がろうとしてポッドの上蓋に頭をぶつけた。

「〜〜ッ!!」

「わわっ、大丈夫!?」

 ヒートリーグが声をかける。リブサーナが引きながらも「いつかの自分と同じ姿」を目にしていた。

 ドリッドは医療ポッドから出ると、ブリックからある物を渡された。

「これを返す」

 ソルトゥーの魂の結晶で、しかも金色の幅太のブレスレットにはめ込まれていた。

「ドリッドが眠っている間に魂の結晶の成分や硬度など調べてみたのだが......。他の鉱物とは全く違う物だということがわかった。あと、持ち運びやすいようにブレスレットにしてみた」

「ああ、そうなんだ......。にしても、ガルヴォ山で〈あのお方〉の部下になっていたバルズレイドに追い詰められた時からの記憶がどうもなくって......」

 ドリッドが思い出そうとすると、リブサーナが補足説明してきた。

「わたしもそうだったけど、創造神に体を貸す時は本来の体の持ち主の意識を眠らせなくてはならない、ってフリーネスが言っていた。一つの体に二人分の意識があると、精神崩壊するリスクがあるから、って」

「え」

 それを聞いてヒートリーグが引く。

「あー、それでかー......。俺の意識が途切れていたのは。それでバルズレイドはどうした?」

「バルズレイドは〈あのお方〉の部下、ベラサピアに助けられて逃げたよ」

「ベラサピアが来てたの? そうか、わたしガルヴォ山に来てから意識がなくなってフリーネスに体を貸してたんだっけ......」

 リブサーナはベラサピアもサゾーロ星に来ていたことに反応する。以前バトナーチェ星にいるお尋ね者を捕まえようとした時にリブサーナはベラサピアに一度返り討ちに遭い、二度目のブラッド星の任務ではベラサピアに負けていた。

「ああ、あとアジェンナとパラドンたちは?」

 ドリッドがガルヴォ山に行った時に脳しんとうを起こしたアジェンナをパレン村の住民に預けたこととパラドンたちのことを思い出してブリックに訊いた。

「アジェンナはちゃんと回復してウィッシュッター号にいるし、パラドンたちも貸しパラドンの主人の元に返してきたから大丈夫だ」

「おお、そうか。それは良かった」

 ドリッドが安心すると、腹の虫が鳴った。

「そういや三日も食べてなかったんだよね......」

 ヒートリーグがドリッドの腹の虫の鳴る音を聞いて笑いをこらえつつも訊いてきた。

「う、うるせぇ! 兎に角、何か食わせろ!」

 ドリッドが赤面しながら叫んだ。

 ドリッドは食堂はリブサーナとピリンが作ってくれたメテオポテトの山盛り、プラネットマトやプルータスなどのサラダ、ゆで卵二つ、ソーセージを三本、米麦混合パンを三つ食べると満腹になった。

「はー、三日も何も食べてないと、かえって旨さが増すなー」

 ドリッドは満足して呟いた。食事の後は司令室に行って、久しぶりにグランタス艦長とアジェンナと対面した。

「おお、ドリッド。目覚めたか」

「はい、艦長。まさか自分が創造神ソルトゥーの依代になるなんて思ってもいませんでした」

 ドリッドはグランタス艦長に言った。それからして、リブサーナ、ピリン、ブリック、ヒートリーグも司令室に入ってくる。

「みんな、来たか。次の創造神がいるとおぼしき星はドリッドが目覚める十三時間前にリブサーナが察した。ピー星域座標〇八六惑星ヴィントルだ」

 それを聞いて、ドリッドが首をかしげる。

「ヴィントル星? 根拠は?」

「ああ、何でもリブサーナが紫の空と高山にある集落、〈旋風〉の名を持つ創造神の気配を察したそうだ。天候と主要種族の生活様式をメインに検索してみたら、ヴィントル星の可能性があると踏んだ」

 グランタス艦長の話を聞いて、ドリッドはリブサーナはフリーネスから次の創造神の魂の結晶の居場所を察すると能力を貰っていたことを思い出した。

「だったら俺も出来る筈だ!! 俺も創造神ソルトゥーに選ばれたんだから!」

 ドリッドはまぶたを閉ざして本当に次の創造神の居場所を察してみた。しかし......。

「全然出てこねぇ」

 肩を落としてがっかりさせた。

「それはそうと、早く席に着いて、サゾーロ星を出発するぞ!!」

 グランタス艦長が全員に司令を出し、ウィッシュッター号はエンジンを起動させて、後部から白い放物線を出しながら、サゾーロ星を去っていった。

 次の目的地はヴィントル星だが、三番目の創造神はどんな者なのだろうか......?