「うおおおおっ」 自分や非融合闘士の観客に迫ってくる海老(スリンプ)や蟹(クラッバ)やヤドカリ(ハミークリュ)のような甲殻類型インスタノイドを両手のハサミや胸の口から出す泡吹沫弾(フラッドバブレッド)で攻撃するヒアルト。どのインスタノイドも真っ二つにされて爆発したり、泡の洪水に押されてひっくり返って、ハサミと脚をバタバタさせる。 「一体どんだけいるんだよ、こいつら!?」 ヒアルトは次々に現れるインスタノイドを見て愚痴こぼす。観客席の床や椅子にはバラバラになってコードや基盤が体からはみ出ているインスタノイドが軽く三十体はいる。ヒアルトが気を抜かしていると、背中に巻き貝を背負ったヤドカリ(ハミークリュ)のインスタノイドがヒアルトの背に向かってきた。ヒアルトが殺気を感じた時、自分に急降下してくるインスタノイドを目にした。 「危ない!」 細身の刃がヒアルトに向かってくるインスタノイドを貫き、インスタノイドは爆散した。ヒアルトは助けてくれたのは誰か、と見上げるとトリスティスだった。 「ありがとう。助かったよ」 ヒアルトはむき出しの口元を笑いにし、トリスティスに礼を言う。 「何呑気にしてんの? 一体見つけたら十体はいる、と考えてよ」 トリスティスはヒアルトに向かって口を尖らせる。 「お前の適応者は何体、あの怪物を倒したかね?」 ギラザーズがソーダーズに訊ねる。 「ええと……、二十……いや三十かな……」 「だが今は多く怪物を倒した者が優勝ではないからな。ヒアルトも十数体は潰した」 ギラザーズとソーダーズが話し合っていると、ヒアルトはトリスティスに言った。 「あとよ、さっき突進して怪物を貫いた君、格好良かったぜ。マジで惚れたかも……」 ヒアルトがトリスティスの顔を見て呟いた。 「ヒアルトさん……」 トリスティスもヒアルトがこんなセリフを言ってきたので、つい疑ってしまう。ふざけ? それとも本気で? しかし、その考えを打ち消し、ヒアルトに言った。 「私、他に逃げ損ねた人たちがいないか見てくる!」 そう言ってヒアルトに背を向けて跳びながら他のスペースへと駆け出していった。 「ヒアルト、今のはマジか」 ギラザーズがヒアルトに訊いていた。 「ああ、本当だぜ。だって、自分も危ないのに、俺の危機を救ってくれたんだからな……」 ヒアルトは軽く笑って素直に答える。 「でも住んでいる国違うからまずは文通からかな……」 * 「竜巻昇拳・双(ダブル・テンぺスターブロークン)!!」 両手を拳にして翠の竜巻をインスタノイドに向けて放つエルニオ。エルニオの竜巻に呑みこまれたインスタノイドは高速回転でぶつかり合って爆散する。エルニオの背にインスタノイドが口から尖った杭を出してきてエルニオを突き刺そうと迫ってくる。その時だった。ティサが肘から電撃を帯びさせた針をインスタノイドに向けて突き刺してエルニオの危機を救った。ティサに刺されたインスタノイドは爆破して、翅や脚などがバラバラになって地に落ちた。 「大丈夫!? 油断しちゃだめよ」 ティサがエルニオに言う。 「ありがとうございます。でも僕には銃がありますので……」 エルニオはティサに鳥の頭部が銃口になっている拳銃を見せびらかす。それから拳銃を持ち直して、あっちこっちを飛んでいる翅蟲型インスタノイドを撃ち、エルニオの銃の光弾を受けたインスタノイドは次々に爆散する。 「ヒューッ、やるじゃん」 ティサはエルニオの銃使いぶりを見て、口笛を立てる。それから空中を飛び交う翅蟲型インスタノイドを一掃するために両腕に青白い電気を帯びさせ、両肘から伸びた針を×字状にして青白い電撃を広範囲に放った。ティサの電撃は放射状に放たれ、インスタノイドたちだけを攻撃させて、黒焦げにしたのだった。 「ティサさん、やるなぁ……」 エルニオはティサの活躍を見て感心する。他の融合闘士も獣人や魚人や蟲人の姿になって炎や雷や氷を出して、会場内のインスタノイドを蹴散らしている。 「みんな、助け合っているんだな……」 エルニオはこの光景を見て思った。 * 「梅花弁爆!!」 羅夢は桃色の花びら爆弾を脚がいっぱい付いている多足虫型インスタノイドを攻撃していた。花びら爆弾は対象に当たると大きくはないが爆破して、インスタノイドは体も脚もバラバラになって地に転げる。 他にインスタノイドはいないか辺りを見回すと、初戦でフリージルドに敗れたグラスゴー・ダランが融合獣ナメタダスと融合して、インスタノイドを手足の爪からワイヤーを出してぐるぐる巻きにして拘束させていた。グラスゴーの近くには彼の妻らしき女性と彼の子供らしい幼い兄妹が一般人の客を連れて闘技場の中に避難させていた。 初戦でジュナと対戦したガントル・クライアジ僧が融合獣ノシドスと融合してインスタノイドを大斧でぶつ斬りにしたり、大斧を振りまわしてインスタノイドを一振りで四体蹴散らしていた。 (この人たちや予選落ちの適応者さんたちはダンケルカイザラントと関係ないのに、必死になって戦っている) 自分もまだ頑張れると羅夢は多足虫のインスタノイドを相手にして立ち向かっていった。 「ああっ!!」 ジュナとフリージルドはVIP席から吹き飛ばされて、コロッセオの建物内の廊下に転がる。バンガルドが岩石砲を出せる籠手を装着し、ジュナとフリージルドを岩石弾で押し飛ばし、ジュナとフリージルドはまともに喰らって、壁に当たって壁が壊れて廊下に滑りこむ。廊下に砕け散った壁の破片が散り、壁には大きな孔が空く。 「つーっ、たたた……、普通こんなとこで撃ってくる!?」 フリージルドが腰を押さえながら起き上がろうとする。ジュナもうつ伏せから起き上がってバンガルドを阻止せんと考える。すると目の前にバンガルドが放った岩石弾がフリージルドの方へと飛んできて、ジュナはフリージルドの方へと飛びこんで避けさせた。岩石弾は廊下の壁に当たり、埋まった。埋まっている壁の四方八方に走った亀裂が入っている。 「うげっ……。アレ受けたら一たまりもないぜ、ジル……」 エグラがフリージルドに言う。フリージルドが亀裂の入った壁を見つめていると、新たな岩石弾がフリージルドの方へと放たれたではないか。 「しまった!」 フリージルドが油断していると、ジュナが左掌と剣先から彗星をフリージルドの前に放つ。 「彗星防壁(コメットバリアー)!!」 フリージルドは彗星型のバリアに包まれ、岩石弾がバリアに当たって、バリアと共に砕けて小石になる。 「ジュナ……ありがと……」 フリージルドはジュナに向かって礼を言う。 「それはそうと、バンガルドを止めましょう!!」 ジュナはフリージルドに向かって叫び、フリージルドは頷いた。 「チッ、邪魔はさせねぇ!!」 バンガルドは右手の四本爪の籠手でさっき壊したVIP席の壁の大きい破片を突き刺して持ち上げ、二人の方へ投げ、更に左手の籠手から岩石弾を撃ち放ってきた。ジュナは白金の長剣で壁の瓦礫をみじん斬りにして防いだ。フリージルドはレイピア剣を岩石弾に突き立て、岩石弾は放射状に割れて地に落ち散った。 「ううっ……」 バンガルドは本気全開のフリージルドとジュナを見てひるむ。 「観念なさい、バンガルド! モンクさんがわたしのマネージャーのセミルパンを通じて警察を呼ぶように伝えてくれたわ! 大人しく白旗を上げなさい!!」 フリージルドがつかつかとバンガルドの前に歩み寄る。 「ヒッ、ヒィッ」 バンガルドはフリージルドの目を見て、ヤバいと思ったのか土下座してきた。 「ゆっ、赦してくれ……! 大人しくするから……!」 フリージルドは土下座のバンガルドを見て、動きを止める。 「ずい分と簡単に怖じ気ついちゃうんですね」 ジュナが呆れたような表情でバンガルドを見る。 「と、見せかけて!!」 バンガルドは土下座の状態から起き上がってフリージルドを鉤爪籠手で弾き飛ばした。 「ああっ」 「フリージルドさん!!」 バンガルドの不意打ちを受けたフリージルドはVIP席の壁に亀裂が入って地べたに座り込む。 「フリージルドさん!」 ジュナはフリージルドに駆け寄り、その隙にバンガルドはトロフィーを三つ全部かすめ取って逃げだした。 「わ、私のことはいいから、あいつを追って! トロフィーの重さからしてそんなに遠くには……」 フリージルドはジュナに言う。 「だけど、フリージルドさんが……」 「あなたとは最後まで戦いたかった。でも、こんな騒ぎの中じゃ、戦うのは無理ね。あなたの融合闘士の才覚が強そうだから、私が引き出してあげられるかと。 私、今年の大会の選手を見た時、同世代や上の世代とは私と合わない、って感じて、ジュナたちのような新人みたいな子と戦う方が楽しく思ったわ。ああ、そうか。私は兄弟がいないから、妹みたいな子の手本になりたかったんだな……」 「フリージルドさん……」 ジュナはフリージルドの苦笑いを見つめる。 「私、物心つく前に両親亡くして孤児院育ちで、院の先輩は普通にサラリーマンや工場とかで働いていてさ、私はどうしても普通になるより名高くなりたい、って願ったの。十四歳の時に有名になりたい願いが叶って、チャンピオンになれて、十八の時に小さな会社を立てて事業に成功した願いも叶って、なのにそれでも私の心は満ち足りてなかった」 フリージルドは自身の履歴を語る。 「フリージルドさん、良ければわたしがあなたの妹になってあげますよ。お兄ちゃん入るけど帰ってこれなくて、姉までできるなんて」 ジュナはにっこりほほ笑んでVIP席を出て、トロフィーを盗んだバンガルドのあとを追った。 「フリージルド、ラグドラグの適応者、あんなこと言っているけど?」 エグラが尋ねてくると、フリージルドは返事をする。 「本心よ。どう考えても。血縁なんかなくても、ジュナとは姉妹になれると思うと嬉しいよ……」 * バンガルドはずしりとくる重さのトロフィーを抱えて闘技場内の地下通路へ逃げていった。闘技場の内の地下層は室内の室温調整機、ボールなどを入れておく運動用具倉庫、選手が軽食を作る小さな台所といった空間である。バンガルドはカビ臭さとほこりの漂う倉個室へと入り、ガチリーザーとの融合を解除して、トロフィーの先端パーツを回して抜いた。 「まずは金からだ。さぁ、どんな秘密が……」 ところが中は空っぽだった。中は空洞である。 「んじゃあ、銀か? 金だけは行っているとは限らないと思って、全部持ち出したからな……」 バンガルドは銀のトロフィーの先端パーツを外して中を調べてみるとやはり空洞。 「これもか!? 銅には入っているんだな!?」 しかし一番小さな銅のトロフィーも空っぽだった。 「こ、これはどういうことだ!? 優勝賞品の中に入っているという融合獣強化の火d年情報はガセだったというのか!?」 バンガルドは盗んだトロフィーが三つとも秘伝情報が入っていなかったと知って、髪をかきむしる。その時、廊下からカツ、カツという足音が聞こえてきて、振り向くと鉄製の引き戸の前に黒いガードローブ付きの黒づくめの服に赤黒いバイザー、長い銀髪の長身の男が脇に黒い毛並みと紅蓮の双眸の融合獣と共に現れた。 「秘伝書は見つかったかね? 国を売ったバンガルドよ」 その冷たい男の声がバンガルドとガチリーザの耳に入り、その神々しくも恐ろしい姿が両者の目に入った。 「ユ、ユリアスさん……!」 「どうやらトロフィーの中は空っぽだったらしいな。せっかく貴殿に渡したインスタノイドも融合闘士たちにやられて、何のためにダンケルカイザラントがお前に手助けしたのか……」 ユリアスは少し間をおくと、バンガルドに向かって叫ぶ。 「お前のような愚か者に、普通の世界にいることも、ましてやダンケルカイザラントも引き取らぬ!!」 そう言ってバンガルドは懐から一丁の拳銃を出した。銃は液状エネルギーパックと先端が小さな二又状の突起になっている。 「わぁぁ――っ! やめてくれ―――っ!」 バンガルドはユリアスの取り出した銃を見るなり、情けない悲鳴を上げた。 それからしばらくして、ジュナが闘技場の地下層へと下りてきた。そして部屋を一ヶ所ずつ覗く。 「いた!」 ジュナは扉が空きっぱなしの用具倉庫からバンガルドの脚を見つけて駆けつけた。扉を開けると、融合の解除がされたバンガルドが仰向けに倒れ、両目は閉ざされ、口葉半開きの状態であった。 「……あれ?」 ジュナはバンガルドを見て、ふと疑問に思う。解体された三つのトロフィーはあるのに、融合獣のガチリーザーがいないのだ。 「チッ、あの野郎! 適応者置いて自分だけ逃げたのか!?」 ラグドラグが吐き捨てる。その時、ラグドラグとまだ一体化しているジュナが訊いてきた。 「でも融合獣なら、その適応者との一生まで付き合う、ていうよ!? まさか……」 ジュナはネガティブに思い、バンガルドの脈を測る。まだ温かみがあって、小さいが動いている。 「生きていた……。でも、ガチリーザーだけ姿を消したのは、どうして……!?」 逃げた訳でも隠れた訳でもないのに、謎である。ジュナとラグドラグは念のため融合を解いて、ガチリーザーを探した。が、地下層をどれだけ探しても見つからなかった。 その時、ジュナの服の胸ポケットに入っていた携帯電話が鳴り、ジュナはビクついたが、送信主がエルニオだと知るとほっとして、携帯電話を開いて電話に出る。 「エ、エルニオ? あのね、わたしインスタノイドを送りこんでいたのは、ダンケルカイザラントと契約していたバンガルドの仕業とわかったの。追いかけたんだけど、バンガルドさんは地下用具倉庫で倒れていて……」 『ああ、今上でプルデスランドの警察がきて、何人かがそっちに向かっているから。 それと、インスタノイドは全部やっつけた。大きな被害も出なかったし、ただ……今年は優勝者なしになっちゃったけどね』 「そう……なんだ」 ジュナはエルニオからの連絡を聞いて被害が出なかった安堵とダンケルカイザラントのせいで中止になってしまった無念さに包まれた。その時、黒縁に灰色の軍服型ユニフォームを着た大人の男女幾人かが地下層に入ってきた。 「プルデスランド公安防衛隊だ! バンガルド・ゼヴァイスはどこにいる!?」 先頭のリーダーらしい白い肌に短く刈りあげた灰銀髪(アッシュブロンド)の男がジュナに訊ねる。ジュナは公安防衛隊の登場に驚きながらも、「用具倉庫に……」と答える。公防隊は横たわっているバンガルドの両腕を掴んで連行した。 「融合獣の方は?」 リーダーの男がジュナに訊ねてきた。 「あの……いなかったんです。探したけど、見つからなくって。本当です。私は逃がしてやったりは……」 ジュナがそう返答すると、リーダーの公防隊は「そうか」と言って、バンガルドを連れていき、ツインローターで動くライトグレイのヘリに乗せられた。公防隊ヘリは十機もあり、ケガ人をヘリに乗せていた。ジュナとラグドラグが闘技場の観客席に上がると、琥珀色の夕空の下、客席もステージ場も割れたり崩れたり削られた様子を目にして立ちつくした。西の方から風が吹いてジュナの髪がなびいた。 観客も他の融合獣もなく、廃れた会場を見つめていると、後ろから声が飛んできた。 「ジュナー」 振り向くと、観客席の出入り口にエルニオ、トリスティス、羅夢、ティサ、ヒアルト、フリージルド、マーフィー、モンク、ジュナは初めて見る腰の低そうな青年、そしてツァリーナ、ソーダーズ、ジュビルム、エグラ、ヴァズビープ、ギラザーズら融合獣がいたのだ。 「みんな……!」 ジュナはみんなの無事な様子を見て喜ぶ。 「すまないな、突然予期せぬアクシデントのせいで、今年の優勝者はなしになってしまった……」 モンク氏は申し訳なさそうに選手たちに言った。しかし、フリージルドは、 「モンクさん、いいのよ。私を誰だと思っているの? 三回連続チャンピオンで機動船製造・販売会社の社長、フリージルド・クロムよ!! 闘技場の修繕は私一人で払うわ。プルデスランドの国民の血税でなく!」 「きっ、機動船会社!?」 ヒアルトやトリスティスや羅夢はフリージルドが機動船会社の若社長と知ると、仰天した。会社の社長とは聞いていたが、まさか機動船のだとは知らなかったのだ。 「それも年収五〇〇ヴィーザ稼いでいるんですよ。蓄えた資産の一部を使えば闘技場は数ヶ月で修繕できるんですよ」 フリージルドの青年秘書、セミルパンが言った。 * 「バンガルドは逮捕されたか。まァ、当然だがな」 黒に近い紺の機動船のコックピット内でユリアスはラジオからプルデスランドのニュースを聴いてきた。ユリアスの座る操縦席の近くには黒い牙獣族の融合獣ヴォルテガ。そしてその後ろの小さな檻にはガチリーザが入っており、眠らされていた。 「融合獣は現在の適応者が存命ならば、他者とは融合できない。だが、適応者の胎内の契合石を壊せば、ガチリーザーは新たな適応者を与えられ、我らダンケルカイザラントの従者となるのだ。手切れ金として融合獣は頂くぞ、バンガルド」 そして黒い機動船は薄朱と紫の混じった空の彼方へと――。 * プルデスランドの闘技場から何ジルクも離れた土地にある森と草原と湖がある敷地の中に、三十全辺(一二〇坪)ある二階建ての白い壁に緋赤の屋根の美しい邸――フリージルドがいくつか持っている別荘のプルデスランド版である。ベランダやポーチの柱や窓の造形は美しく、召使いは黒いワンピースに白いフリル付きエプロンを着た四人の女性である。その別荘にジュナたちエリヌセウス組やティサとヴァズビープ、ヒアルトとギラザーズが招かれた。 部屋は別荘だけでも十あり、別荘内で一番広い居間では白い壁紙に高級絨毛のカーペット、円いテーブルの上にはごちそうがたくさんあり、飲み物、オードブル、メイン、スープ、サラダ、デザート、モグッフ(パン)&米という風に分けられている。 「いっ、いいんですか? 本当にここで一晩なんて……」 ジュナは別荘の主、フリージルドの訊ねる。フリージルドは深緋のビスチェドレスをまとい、髪を三つ編みにしてからアップにしている。 「いいのよ。受賞できなかったお詫として」 フリージルドはみんなに言い、みんなはお腹いっぱいフリージルドが出してくれた多くのごちそうを口にした。 その後は大理石の浴槽がある風呂場で汗と疲れと汚れを流し、その後は一組一部屋ずつベッドと机と椅子と簡素な棚がある部屋でみんな寝入った。ジュナは眠る前に母親にメールを送った。明日には帰ってくるから、と。 そして翌朝、エリヌセウス組はアウローラ号に乗って、ティサとヒアルト、その融合獣はフリージルドが路銀を出してくれたので、それで帰国した。 |
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