この日はジュナの学校も母親の仕事も休みの日だった。母親は居間で香草茶とお菓子を口にしながら、今日の午前〇時から午前四時にかけて起きたニュースを見ていた。 『――本日ラガン区三番街にある封鎖された倉庫の異常を見て、近くの住民が警察に通報し、警察官が駆け付けた時には、倉庫は崩壊しており、捜査を進めていると、ガレキから一人の男性の遺体と左肩から右腹にかけて切断された融合獣の遺体が、見つかりました。 男はノルマロイドの四〇代前半の男で、十三個の契合石を持っていたことから、融合獣殺害犯とみて調査を進めております。なお倉庫が崩壊した理由も調べております――』 「世の中物騒ねえ。一体誰がこんなことをやったのかしら」 母親はテレビを消し、立ち上がって二階のジュナの部屋に行った。 「ジュナ、もうすぐお昼だけど、何がいい?」 母親がドアを開けてみると、ジュナは部屋の真ん中でラグドラグに寄り添って眠っていた。ラグドラグもジュナを支えるように眠っている。二人は明け方に帰ってきて、その後で力尽きて一緒に眠ったのだった。 「起こしちゃ悪いわね。もう少し、このままでいさせてあげましょ」 そう言うと母親は扉を閉めて、部屋を出た。 ジュナとラグドラグはこれからも共に生きていくだろう。 この平穏な日々をいつまでも。 |
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