六月三十一日の夜――。ジュナは自身の部屋の屋根を開いて、瑠璃空の星々を見つめていた。季節によって、星座や星の位置が変わるのはジュナも知っている。 あと一日で学校が終わり、その後は夏休みで学校のみんなに会えるのは少し先。ジュナにはダンケルカイザラントを敵に回したという悪いこともあったが、ケティとは親友同士になれたという嬉しいこともあった。 「あの人に二度も助けられて、また名前と住所とメールナンバーを聞けなかった。だけどダンケルカイザラントと因縁があるから敵ではないのはわかるけど……」 そう考えていると、ラグドラグが言った。 「ジュナ、もう寝ろよ。修了式はちゃんと早起きしろよ」 「うん」 そう言ってジュナは屋根を締め、ベッドに入った。 これからジュナや数少ない融合闘士仲間に厳しくも辛い道が起こるのは承知だった。ジュナにできることは、ダンケルカイザラントや悪の融合暴徒と戦い、一般人である母親や友人を守り、兄と再会することであった。 たとえ、この先がどんな苦難の道でも、わずかな希望の光があれば平気だと、ジュナあは思った。 |
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